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ブログ - 信を万事の本と為す(その7)

信を万事の本と為す(その7)

カテゴリ : 
ブログ
執筆 : 
栃木坐禅会 2020/1/17 9:39
             

       信を万事の本と為す(その7

2.報恩・感謝

(3)黄檗和尚と臨済禅師

次は黄檗和尚と臨済禅師のお話になります。

臨済宗の宗祖、臨済禅師は中国河南省、曹州南華のお生まれで若くして出家され、初めは戒律堅固の持戒僧として修行をされておられたのであります。しかし平凡な僧としての日々に飽き足らず求道の志やみ難しであったんです。揚子江中流の江西や湖南に坐禅によって頓悟成仏をはかる禅宗が盛んであることを聞き、遠い遠い旅を続け、江西の黄檗山に到り、黄檗希運禅師の会下に連なり禅僧として、修行に入ったのです。臨済は「行業純一」、純真一途な修行者でありました。黙って坐って三年が経ったのです。臨済は、お釈迦さんは「一切の衆生は皆悉く仏性を備えている」と言われる。してみればこの煩悩の多い自分にも仏性は備わっている筈であるが、その仏性とは一体どれであろうか?と大きな疑問を持ったのです。また人間は必ず死ぬものであるがその死とは何か、そして生とは何か……。人間はどう生きることが生き

甲斐ある人生なのかと疑いを持ったのです。この時、直日をやっていた睦州和尚は、純真一途で坐っている臨済を見て「此奴 若いけれどなかなか見所があるワイ!」と。「お主はここへ来てからもう何年になるかのうー」と声をかけたのです。臨済は「ハイもう三年になります。」睦州は「そうか。ところで和尚の室内に入って独参したことがあるのか?」と問うたのです。臨済は「まだ一度もございません。和尚に何を問うたらいいのか分かりませんので」と。睦州は「一度和尚の室内に入ってなぁ『禅道仏法のぎりぎりのところ、悟りとは如何なるものでございましょうか』と問うてみなされ」と、方便をめぐらしたのであります。こう指示されて臨済室内に入り睦州に言われた通り正直にその通り和尚に問うたのであります。

そうしたら和尚、その問いの終わらない内にいきなりビシャリーと一棒を与えたのであります。一棒くらった臨済、何のことやらさっぱり分からずションボリと禅堂へ戻ってきたのです。睦州はそれを見て「どんな具合であったのか」と聞いたのです。臨済は「ハイ直日の仰せの通りに問いましたら、まだ問いの終わらない内にビシャリーと打たれました。」と、べそをかいたのです。それを聞いた睦州 なんだそれくらいのことでべそをかく奴があるか。次にもう一度前の通り言って参じてこいと言われたのです。臨済また言われるままに参禅し、同じように問い、同じように打たれ、またうなだれて戻ってきたのです。睦州は今度も打たれることは分かっていましたがわざと「どうであった」と聞いたのです。そして、二度打たれたくらいでそんなに挫ける奴があるかと、もう一度行ってこい!と激励したのです。臨済は三度行って三度打たれてもう意気も消沈して戻ってきたのです。今ならパワハラだと言われるところでしょうが純真一途な臨済のまことが修行を続けさせたのです。臨済は自信を喪失し、自分はこの和尚のところでは機縁は結ばないのではないかと思い意を決し和尚にお暇を願い出たのです。黄檗和尚はそうかとやむなく許し、それではなぁーと旧知である大愚和尚を訪ねてみなされと言われたのです。臨済は失意のうちに大愚和尚を訪ね、三度参じて三度打たれましたと正直に話したのです。これを聞いた大愚和尚、「そうか……、黄檗和尚はなんと親切なお方だ。貴方の為にそこまで親切にお示ししてくれたのか」と感嘆されたのであります。こういわれた臨済、黄檗和尚は自分の為にこうも親切に何度も仏法の肝心要のところをお示しくださったのかとハッと気が付いたのであります。臨済は初め、仏典や仏教の注釈書を読み漁り、仏法の真理を求めようとしていた仏教学者であったのですが、黄檗に参じ、仏法は文字や言句ではない、その打たれたことで仏法の端的は身近なところにあることに気が付いたのであります。

臨済は大愚和尚に厚くお礼を申し上げ早々に黄檗山に戻り、黄檗和尚に絶対の信を置いたのです。師の鉗鎚、大慈大悲に命がけ、命を捨てての修行で、ついに黄檗和尚の法を嗣がれたのであります。臨済禅師は「臨済将軍の禅」と言われ、当時、中国で一番盛んになった臨済宗

を興されたのであります。「まさに見、師に等しきは即ち師の半徳を減ず、見、師を過ぎてまさに伝授するに堪えたり」であります。           
   『禅』65号 「信を万事の本と為す」了空庵老師の法話より転載  

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