ブログ - 信は万事の本と為す(その4)
信は万事の本と為す(その4)
(3)神光雪中断臂
この信、神光(二祖慧可大師)は達磨に信を求め「吾が心を安んじ給え」と嵩山の少林寺に達磨を訪ねましたが、何度訪ねても認められず、積雪膝を過ぎる大雪の日、ついに我が臂を断って信を呈したと伝記にあります。しかしいま、こんなことをしたら警察騒ぎになるでしょうけれど、私共は時代背景を学ぶことであります。神光は達磨に信を求め、命がけ、命をすてて己が赤心を表したのであります。
(4)親鸞聖人
また浄土真宗をおこした親鸞聖人は師の法然上人の説く教えが、浄土に生まれる道であるか、また地獄におちる道であるかは知らないが、私はただ上人の教えのままに従い行ずるだけである、その為に地獄におちることになり、結果的に上人に騙されることになったとしても決して悔いはないと信を表しています。しかしいま、死んでから地獄に落ちるなどと考えている人はいるんでしょうか。
『禅』65号 「信を万事の本と為す」了空庵老師の法話より転載