広島ブログ - お風呂の楽しみ

みなさんは子供の頃に、親ごさん や お爺さん お婆さん と一緒にお風呂に入って、数を数えたことがありませんか。
「温まるまで、50、数えようね!」などと言われて、私は小さい頃、母と一緒に肩まで湯につかって、よく数えていました。早くお湯から出たくて、必死に数えたのを覚えています。
大人になった私は、船で働くようになりました。私の船のブリッジには天井も窓もなく(笑)、今の時期、ブリッジの椅子に二時間も腰掛けていると、北風と仲良しになって、体が冷え切ってしまいます。
船から上陸して、一番初めに向かうところは、どこだと思いますか。そう、お風呂なんです。
家のお風呂じゃなくて、銭湯など、湯船の大きな処に行くことが多いですね。
はやる気持ちを抑えて体を洗い、しずしずとお湯に体を沈めると、「嗚呼!」と自然に声が出てしまいます。
銭湯や温泉などは、湯温の高めなところが多いじゃないですか。先ほどまで北風と一緒に過ごして冷え切った体には、お湯の温かさが沁みてきます。

目を閉じると、自然と心の中で数えてしまいます。「ひとーつ、ふたーつ、みぃーつ」、どこまでも、数えられちゃいます。子供の時には早く出たかったのに不思議ですね。
そのうち陶然としてきます。
天井からポトリと落ちた雫が顔に当ったり、女風呂からオバチャン達の笑い声が聞こえてきたりして、ふと我に返ります。
「あー、気持ちよかった!」と満足して、また船に戻るのです。
こんなお風呂の入り方を、今の大人の私は楽しんでいます。みなさんは、どんなお風呂の入り方ですか。
( 渡辺 大海 記 )