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呉坐禅道場

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広島ブログ - 思 い 出 の タ グ ( 付 箋 )

思 い 出 の タ グ ( 付 箋 )

カテゴリ : 
ブログ
執筆 : 
広島禅会 2018/8/26 13:34
人生にはさまざまな思い出があります。その思い出の一つ一つをたぐるものは、まずアルバムの写真でしょう。今では、スマートフォンの写真アルバムが それに成ってしまっています。

あるいは、そのころ街で流れていた、流行歌の場合もあります。聞いたり歌ったりしていると、何となくその懐かしい日々の気分に浸れるものです。

しかし、このような視聴覚から入ってくる情報などより もっと強烈なのは、匂いや味、季節の風などです。北風と焚き火の煙の匂い、思い出のチャーハンの味、金木犀の花の香り、夏の日の熱風など、出会った瞬間に心は急激にワープします。

先日、女流作家で 天台宗の僧侶の 瀬戸内 寂聴 師 が、俳句番組で「テレビで話すのは、ほんとはとても恥ずかしいのですが、自作の俳句の中で一番好きなのは 『 むかし むかし みそかごとあり 桜餅 』 と云う句です。」と話されていました。高齢の尼僧には余り似つかわしく無い、艶っぽい句ですが、若い頃には文芸に命を捧げ多情に生きた彼女にとって、春の“桜餅”は、やるせなく甘く切ない道ならぬ恋の一つに通じた、かけがいの無い一筋の大切な付箋なのでしょう。

 もしかしたら この度の豪雨災害で、辛く哀しい思いをされた方も、あるかも知れません。しかし そんな中、何とか無理をしてでも、何か楽しい思い出を作ろうなどとしなくてもいいのだと思うのです。何故ならそれは、いつの間にか心の奥深くに入り込んでしまうものだからなのです。

そして時の移ろいは、いつしか全ての思い出を、美しく 愉快で 楽しい ものに、自然に浄化してくれるからです。辛かったこと、哀しかったこと、苦しかったこと、腹が立ったこと、悔しかったこと、恥ずかしかったこと、恋しかったこと、切なかったことなど、行き場の無い全ての思いを、心の中の大切な宝物に浄化してくれます。

本当に豊かな人生の宝物とは、そんな様々な小さな思い出を手繰り寄せる、ささやかなタグ(付箋)のことなのかも知れませんね。

( 光 禅  記 )

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