広島ブログ - 捜査1課長 の 運転担当

このごろ刑事物のテレビドラマを見ていますと、警視庁 捜査1課 という部署は、どうやら凶悪犯罪の担当部署のようです。
そして赤い丸バッジを左の襟元に付けた、警視庁でも花形の部署のようです。
そして、そこの代表者である 捜査1課長 と云うのは、いわゆる警察のキャリア組などではなく、また昇進試験に合格して出世してきたのでもなく、ただ兇悪犯を数多く逮捕してきたと云う実績と実力とで評価されてきた、いわゆる叩き上げの人物として描かれています。
おそらく現実にも、きっとそんな人材が多いのでしょう。俗に「1課長(イッカチョウ)」とよばれる人物です。
そしていつもドラマを見ていて面白いと思うのは、いつか将来「1課長」にでも成るかも知れないと云う有望な新人を「1課長の運転担当」として選んで、秘書役的に常に傍に随行させていることです。
もちろんそう云う仕事をする人が必要なのでしょうが、これはそれ以上に教育的な意味合いが大きいのだと思います。
運転担当と云うのは、ほとんど四六時中、代表の責任管理者に随行しているのですから、急な呼び出しも多く、仕事的には大変過酷な部署なのだと思われます。しかしその反面、とても遣り甲斐のある光栄な役職の一つなのでしょう。
我々の禅の集いでも、侍者(隠侍)と呼ばれる役目があります。
摂心中(一ヶ所に集まって、集中的に坐禅や作務、公案の工夫をする期間)などでは、常に老師(指導者)の傍らで、秘書的な仕事を担当するのですが、食事を作ることや、洗濯、掃除、風呂の用意、薬の用意、床の上げ下ろしなど、老師の生活全般の世話を全て担当します。
もちろん、この様な細やかな心配りに元々向いている人を選任する場合もあると思いますが、同様に、教育的な意味合いもあるのだと思います。
そんな風に人から人に直に何かを伝えていくと云うのが、きっと どの世界でも大切な日本の伝統なのでしょうね。
( 光 禅 記 )