広島ブログ - 広島の盆灯籠

今年も早いもので、もう、お盆になった。
広島では8月のお盆になると、各所のお墓には、カラフルな盆灯篭が林立する。呉でもやはりそうである。小高い山の中腹の墓所が一斉に彩られる。由来や由緒はよく知らないが、おそらく、広島市周辺部、つまり浄土真宗西本願寺派、俗にいう安芸門徒の地区だけで見られる風習だと思う。
灯篭の構造は簡単なもので、竹を六角形のアサガオ型に組んだ物に、赤・青・黄などの色紙を貼って作る。表面に金粉などをつけることもある。風や雨水を通すために、1面は上辺だけ貼っておいて下部を空けてある。さらに、六角形の頂点から金紙などの飾りをつける。

いずれも高価なものでなく、コンビニやスーパー、花屋などで簡単に購入でき、1本600から1000円程度である。
いわゆる卒塔婆に相当するもので、盆の時期に墓参りを行う者がその墓の周囲に立てる。親族がそれぞれ持ち寄るため、1基の墓の周囲に何本も立てられることも多い。
初盆(新盆)には色紙や装飾は用いず、白い紙のみの盆燈籠を供える。
そもそも浄土真宗は、お盆といって、特別な飾りや行事はしない。卒塔婆を立てることもしなければ、迎え火・送り火もなく精霊棚もない。お供えは霊にではなく如来に捧げるものとしている。
この様な安芸門徒の、何にもとらわれず、こだわりを持たない、広島人の気質は、在家禅の特徴とピッタリと符合する。
まさに『在家禅』は、宗派性を全く持ち合わせていない、この様な安芸の門徒衆のためにこそ用意された、心のメンテナスケアのためのレッスンプログラムである。