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ブログ - 三島静坐会 3月の禅語 青山元不動 白雲自去来

三島静坐会 3月の禅語 青山元不動 白雲自去来

カテゴリ : 
ブログ
執筆 : 
岳南支部 2018/4/25 19:27

青山元不動 (青山(せいざん) ()不動(ふどう))

白雲自去来 (白雲(はくうん) (おのずか)去来(きょらい))
 

   「青山元不動 白雲自去来――青山(せいざん) ()不動(ふどう)、 白雲(はくうん) (おのずか)去来(きょらい)」は最もよく知られた禅語で、「青山元不動」「白雲自去来」とそれぞれ五字一行として揮毫されることが多い。その意味は、「白雲は自ら去来するも、青山は元と不動なり」と逆に読むとわかりやすい。

幕末から明治前半期にかけて活躍した山岡鉄舟――深く禅に参じ剣禅一味の立場から無刀流を創始し、勝海舟と西郷南洲との江戸開城の和談の地ならしをした大居士――が富士山を描き、それに

「晴れてよし曇りてもよし富士の山 元のすがたは変らざりけり」
  と賛を加えた一軸を拝見したことがあるが、この「晴れてよし・・・・
  一首は、まさに「青山元不動 白雲自去来」の意味を見事に和歌に翻案

した もので、この一首でその解釈は十分であろう。

私たちの人生の行路には晴れた日もあれば曇った日もあり、風あれば

  雪の日もある。万事トントン拍子に運ぶ順境もあれば、いくら努力しても

うまくいかない逆境もある。こうした人生に処して、私たち凡俗の者は、ともすれば外的条件に動かされ、得したといっては有頂天になって真実の自己を見失い、損したといっては落胆して自暴自棄しがちなものである。しかし本当にできた人物というものは、外的条件がどのように変わろうとも、あたかも富士山のように泰然として、すこしも真実の自己を動ずることなく、順境もとよりよし、逆境また可なりと達観して、いささかも志操を変えることがない。いや、それだけではなく、真の大人物というものは、富士山が去来する雲によってかえって趣きを増すように、逆境や難関に遭遇すると、いよいよその真価を発揮するものである。「青山・・・ 白雲・・・」の二句、「晴れてよし・・・」の一首は、この大丈夫の毅然かつ超然とした生き方を、自然の景観に託してたたえたものである。「風吹不動天辺月――風吹けども動かず 天辺の月」という句も、ほぼ同じ意味であるが、「青山元と不動、白雲自ら去来す」の二句のほうが一段と趣きがあり、含蓄が深い。

 なお、世間には、順境にいた間は随分熱心に禅の修行に励み、茶道の錬磨に打ちこんでいたが、いったん逆境に入ると禅も茶もみな捨てて右往左往して、かえって失敗の上塗りをする人があるが、これはおかしい。逆境におちこんだ時にこそ、泰然自若として「白雲去来すれども、青山元と不動」とありたいものである。そうすれば必ずや逆境が自然と順境に転ずる時が来るであろう。人生の指針として味わうべき一句である。

  
         (芳賀幸四郎著 新版一行物 ―禅語の茶掛― 下巻より)

      

 出典:『五灯会元』(ごとうえげん)

中国、南宋代に成立した禅宗の灯史。1252年、禅宗の 歴代祖師の行状を記した五つの書(伝灯書)を整理して一書としたもの。

『五灯会元、巻四、霊雲志勤禅師』(れいうん しごん ぜんじ)

僧問う、如何が生老病死を出離することを得ん。

師曰く、青山元動ぜず、浮雲の去来するに任す。
      

 山岡鉄舟(やまおか てっしゅう、1836~1888):江戸本所生まれ。幕末から明治時代の幕臣、政治家、思想家。17歳の頃から禅の修行も始め、剣書の達人として知られる。一刀正伝無刀流(無刀流)の開祖。通称は鉄太郎。鉄舟は居士号。勝海舟、高橋泥舟とともに「幕末の三舟」と称される。

 勝海舟(かつ かいしゅう、1823~1899):江戸本所生まれ。幕末から

明治時代の幕臣、政治家。通称は麟太郎。海舟は号。幼い頃

から、剣禅の修行に励む。万延元年(1860)に咸臨丸で渡米

し、帰国後に軍艦奉行軍事総裁となり、明治維新後も政府

高官を歴任し、伯爵に叙せられた。

西郷隆盛(さいごう たかもり、1828~1877):薩摩藩士軍人政治家。通称は吉之介。南洲は号。薩摩藩の下級武士であったが、藩主の島津斉彬の目にとまり抜擢され、紆余曲折をへて後の活躍に到る。最後は西南戦争で敗れて自刃した。

           

                          輝風  拝

 
 
 
 

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